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 AIE-DMPはAIE研究社で発明された分散最大値原理に基づく、分散システムの自律・分散型の全体最適化技術です。分散したエージェントが協調して自律的に自己を最適化すれば、全体が最適化される性質をもっています。そのため、大規模な問題や環境と経済性を考慮しなければ意思決定できないような複雑な問題解決に最適です。

 分散したシステムがネットワークを介して協調し情報を共有し、各システムが自己の最適化を図ることで全体の最適化に達する全体最適化技術です。
 当初は、大規模プラントの最適設計のために開発された技術ですが、今日では理論を更に発展させ、環境問題など大規模な分散システムの自律的な最適化に利用できるよう線形問題に応用されています。
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 分散最大値原理(Distributed Maximum Principle)は、分散したエージェントが協調して中間原料、中間製品などエージェント間で授受する製品・サービスの最適価格を求め、その最適化価格をベースに各エージェントが自律的に最適化すれば全体のシステムが最適化される自律的な分散最適化原理です。言わば「部分の最適化は全体の最適化で無い」と言うこれまで公理として流布されている工学、経済的な通説を覆したことになります。
 AIE-DMPの原理は、現代のように巨大化、高度化、複雑化した産業や社会において、非常に多くの領域間を効率よく調整するのに有効です。
 例えば、地球上の炭酸ガスや廃棄物を削減するため循環型社会の構築設計や、グローバル化に伴う市場競争の激化や多様な市場要求に応えるために、多領域に跨る技術や産業、経済性、市場性を統合した最適な意思決定の必要性が高まっています。
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 分散システムが協調して授受する原料等(共有変数)の最適化価格を求め、その情報を交換します。
 各サブシステムはそれを基に個々のシステムを最適化する稜F=f1+f2=f1-(-f2)とした時、価格稜の交点が全体的最適解(F最大)となります。
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 大規模で複数の部分システムが複合する広域問題に対して、現存する数理計画法のようにデータを中央に集中し、中央制御管理的に最適化を図ることは非常に困難です。特に、複数の組織、部門や企業、研究機関、大学などが共同して解決するような問題に対しては、以下のような問題があります。

1)全体モデルの構築のため全ての情報を中央に集め、管理するのは難しい。

2)モデル・データの改訂やモデルの変更・構築を、担当部門でなく中央で行うのは無理があります。

3)更に、全体の最適解が得られたとしても、検証するのが難しい。
3)特に、各部分システムの担当者にとって、自分のシステムをどう改善していくかの意思決定が難しい。

このような問題の解決に分散最大値原理を用いた自律的に分散したシステムを最適化する手法は以下のような特徴があり有効です。

1)モデルの構築が容易である。
3)各部分システムの担当者は、自分の関係する領域の部分モデルのみを作成すればよい。
3)部分システム間で授受する中間原料・製品やサービスについては、
3)授受する相手先のシステムとの間で共有することだけを登録するだけで、簡単に全体モデルが構築できる。

2)最小限の情報共有によって全体最適化が出来る。
3)部分システムで計算した中間原料・製品の量と最適化価格を
3)相互に伝達するだけで全体の最適化計算が可能である。
3)そのため各部分システム間で最小限の情報をネットワーク等で共有するだけでよい。

3)最新の研究開発の成果や取得した情報を全体モデルの最適化に利用出来る。
3)部分モデルに最新の研究開発の成果や取得した情報を取り込み、
3)改訂・変更することは各担当で自由に出来る。
3)このため、最新の情報に基づいて全体的に最適な意思決定が可能になる。

4)最適解の意思決定への利用が容易である。
3)各部門間で授受する中間原料・製品価格と言う形で全体への影響が評価できるので、
3)各部門の担当者は担当部門の技術の研究開発を効果的に進めたり、
3)全体についての考慮しながら各部門で自律的に意思決定することが可能になる。
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 産業の高度化、グローバル化と共に、今日我々の当面する問題は、多くのシステムが複雑に絡み合って相互に関係した複合問題です。例えば、大規模プラントの設計や都市、交通問題、経済開発や事業計画の立案などです。特に近年注目される、関連する産業が多くややもすれば地球規模の問題になりがちな環境問題で考えてみましょう。

 環境問題は、製品を製造する企業やそれが属する産業セクターだけでなく、都市、交通・輸送、廃棄物の分別・回収、再処理、廃棄物処理などの公共事業も含む、技術、経済、行政、住民が絡む、目的も様々な複合システムの統合問題です。比較的狭い範囲の循環型社会構築の設計・構築問題でもデータの蒐集に半年、モデル化に2ヶ月、など人間が関わる時間は長く、これに比較し計算に要する時間は1週間程度と相対的に小さくなっています。従って計画・設計問題で重要なのは、計算の準備や計算結果の検証や、計算結果が意思決定へ如何に利用しやすいかであります。

 現存する大規模LP(線形計画法)ソルバーなどは、繰り返し計算され解の存在が明らかな操業問題に利用することは出来るが、このような大規模な複合システムの計画・設計問題を解決するのは困難です。

 首尾よく情報蒐集し、それを中央に集中し全体の最適解を計算しても、研究機関や産業の各部分の担当者は、自分の担当するモデルの検証が困難なだけでなく、最適解を自分のどのように反映させたらよいか分かりません。そのため膨大な時間と費用、手間をかけて全体モデルを構築しても再利用されるケースは殆ど無いのです。

 これに対し、DMPに基づく自律的分散最適化によると、自分の領域の問題だけに注目すればよいので検証が容易、且つ、価格と言う形で外部の影響が評価できるので、計画・設計の変更など迅速、且つ的確な意思決定が可能になります。

 これは、グローバル化にともない広範なリスクと市場競争直面する日本の企業の成長に不可欠な、迅速な事業展開力に必要な計画・設計段階での的確な意思決定を支援することに役立つと考えられます。
■大規模複合プラントの最適設計 ■総合的生産計算問題

 
■環境問題  
環境問題は本質的には地球規模の問題です。
資源(リソース)はそれを原料として様々な製品を、そしてそれらは人間に豊かさを与える機能、サービスを提供し、廃品として分別・回収され、リユース、リサイクルされ、最後は廃棄物として処理されます。
そのライフ・サイクルの間に、炭酸ガスなどの環境負荷が発生します。
吉川は、人間の豊かさを最大にしながら、資源の消費や環境負荷の発生を最小限にするため、その比である地球生産性を最大化することを提唱しました。
分散最大値原理は、地球生産性を最大化する地球に優しい技術です。
 

 

  

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